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ラビットプレス+7月号


昔の人はよく言った…目は口ほどにモノを言う(イメージ)

5月6日に行われたアメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦で、日大の選手のラフプレーによって、関学大の司令塔、クオーターバック(QB)を負傷させた。問題のプレーは、関学大のQBがパスを投げ終え、無防備になった背後から、日大ディフェンス選手が猛烈なタックル。関学大の選手はのけぞり、ひざなどに全治3週間のけがを負った(その後の精密検査で、腰靭帯損傷と診断)。この日大の選手はその後も同様の反則を繰り返し、さらに別の選手を殴って退場処分(資格没収)となった。
日大の広報は16日、内田正人監督が学内の調査に対し、危険なプレーなどの「指示はしていない」と回答したことを明らかにした。また、選手らへの聞き取りも行った結果、「(大学としては)意図的でないと認識している」とした(読売新聞)。

19日、日大内田正人監督は急遽辞任を表明。「すべて私の責任。弁解はしない」と報道陣の前で謝罪した。しかし、反則の指示を自ら行ったかどうかについては具体的な発言を避けた。ところが、22日になって当事者の日大・宮川泰介選手が東京都内で前代未聞の記者会見を開き、内田正人前監督とコーチから、反則行為を指示されたことを明らかにし、「大きな被害と多大な迷惑をかけたことを深く反省している」と謝罪した後、今回の行為に及んだ背景について内田監督や井上コーチ他首脳陣とのやり取りを詳細に語った。

翌23日。試合後初めて、日大の内田正人前監督と井上奨コーチが日大で記者会見を開き、内田氏は宮川選手の危険タックルについて、「私からの指示ではない」と自らの指示を改めて否定した。井上コーチも「QBを潰してこいと言ったのは確か」と、発言を一部認めたうえで、「闘志を出してやれという思いだった」と述べ、宮川選手が前日の記者会見で語った「試合前日、井上コーチから内田氏の言葉として『相手のQBを1プレー目で潰せば(試合に)出してやる』と聞かされたとする証言についても、「そういう気持ちで行け。QBを潰しにいくことを監督に言って覚悟を決めてほしい」という意味だとし、「けがをさせることを目的とはしていない」と述べ、選手と自分等の解釈に乖離があったのではないか(日大から関西学院に対する回答書にも記述)と弁明した。


日大の雄姿がまた観たいものです(イメージ)

アメリカのトランプ大統領と、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談が、6月12日、シンガポールセントーサ島の高級ホテル「カペラ・シンガポール」で行われた。

米朝首脳会談が現実味を帯びてきたきっかけは、平昌オリンピック・パラリンピック閉幕後、急転直下で動き出した韓朝(南北)首脳会談の実施である。北朝鮮は、平昌五輪に参加を表明してから、対外的に元首の役割を担う金永南(最高人民会議常任委員会委員長は日本の国会議長に相当)と金正恩の妹である金与正(朝鮮労働党組織指導部第一副部長で、現在北朝鮮の実質的なNo2)を開会式に、対南工作の責任者の金英哲(朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長)というエースを閉会式に送り込み、五輪の話題をさらった。これらは全て、平昌五輪という平和の祭典を利用し、文在寅韓国大統領以下主体思想派と水面下で綿密な打ち合わせを行い、周到に準備して実施し、米朝会談を行わせることで米国による武力攻撃を回避させ、核武装問題を交渉の場に揚げて時間稼ぎをしようとする北朝鮮側の政略に他ならない。


シンガポール政府発行の記念コイン(共同通信社)

12日午後に行われた米朝共同声明に関する内容をロイター通信が伝えた。
それによれば、トランプ大統領が会談後の記者会見で、金正恩氏は帰国後、すぐに非核化の「プロセスに着手するだろう」と述べる一方で、「当面制裁は続ける」との方針も示したことや、北朝鮮が求める「安全保証」に関連して、「(在韓)米軍の数を減らすことは考えていない」と述べ、韓国に駐留する米軍のプレゼンスを当面は維持する考えを示したことについて、共同声明には具体的な方法は盛り込まれておらず、北朝鮮の「完全かつ検証可能で後戻りできない非核化」(CVID)には触れられていないとした。また、朝鮮戦争(1950-53年)の終結に関する合意についても盛り込まれていない。

さて、本編では、最近世間と世界を折檻したこの二つの出来事について、拙者も含めた一般人として様々な報道から知り得た情報を基に、身近な人の輪の中で議論や討論がなされた結果の評論とは別に、当然直接的な当事者ではない大学関係者や、米朝それぞれの大統領について、我々一般人が知り得ることの出来る唯一の正確な情報、すなわちメディアを通じて映し出される当事者の言動、表情から彼等個人の心理状態を分析し、一連の報道を違った角度から評価しようと試みる。

【内田前監督:記者会見の言動と表情から】
内田氏は、問題の試合後、会見という場に3度登場している。一度目は危険タックルの被害者所属の関西学院大学に謝罪に訪れた5月19日、帰路につく伊丹空港ロビーでの取材。二度目はその2時間後、到着した羽田空港での囲みに応じた会見。そして三度目が23日に開いた井上コーチとの記者会見である。本項では、その時の様子からのみ、内田氏の心理や性状を分析する。

1.ピンクのネクタイ
日大のスクールカラーは緋(あけ=目の覚めるような鮮やかな赤)色である。ただ、様々なスポーツ分野において赤色を採用する大学は多く、日大は各運動部のカラーとしてピンクを使用することがある(大正11年、箱根駅伝本体会に初出場の際、タスキの色を他大学と区別する為にピンク色を使用したのが始まりとされる)。
心理学では色彩と心理の関係を研究する分野が在り、色彩心理学とも言説される。学術上の心理学体系には同科目は導入されていないが、知覚心理学や認知心理学と色彩を関連付ける研究も盛んである。注1
さて、内田氏はこの日、何をしに関西に来たのだろうか。それは正に関西学院大学並びに今回の被害生徒への謝罪である。通常、けがをさせた(意図的という意味は含まない)加害者側の責任者として謝罪に訪れる場合、アメリカンフットボールだろうが何だろうが、そんなものは全く関係なく、スーツにネクタイを締めるとき、総じて地味な色合いの装飾品を選ぶことは当然だろう。これは人の心理として、謝罪の気持ちを表すには、沈痛な心理状態を表現するため、暗めの色をチョイスするのである。つまり、相手方に与える印象を考慮して、である。それが何故ピンクのネクタイだったのか。
理由を分析すると、おそらく日大のチームカラーである(正装?)から、という答えがオーソドックスであろう。これを聞いて、「なるほど!」と思ってはならない。もうこの段階で内田氏の心理は明白である。つまり、内田氏は今回の謝罪のための関西入りを自身の主張の場と捉えているということである。謝罪や見舞いという行為は、何を置いても相手のために行うものであるにも係わらず、自分の存在を顕示するネクタイを着用して訪問することこそ、主体を自分に置いている現れである。その証拠は、この囲み取材に対して発した内田氏の言葉が全てである。これは取材メディアがこぞって批判しているとおり、カメラの前に立った内田氏が最初に述べたのは、報道陣に対しての弁解であり、メディア対応の遅れに対する侘びであった。そしてその後に内田氏が述べたのは、自分の進退についてであった。要は、伊丹、羽田両空港に報道陣が待ち構えていることで、その場を自らの監督辞任会見の場に利用したのであり、その時の映像を意識しての「ピンクのネクタイ」であったことは、行動心理として明らかであろう。


そんな恰好で…(イメージ)

2.関西学院大学はカンサイガクインに非ず
相手校の読み方を間違え続けたことについて、一般的には、大したことはない、読み方を知らなかっただけ、知識の乏しい人などのSNSでの書き込みが多くなされた。しかし、ここも人の心理として分析をした場合、単なる間違えと片付けるわけにはいかない。
関西学院は日大と並ぶアメリカンフットボールの強豪校であり、甲子園ボウル(全日本大学選手権/東西大学王座決定戦)28回の優勝(日大は17回)を誇る名実共にナンバー1のライバル校である。過去幾他の好ゲームを展開してきた宿敵であり、常に存在を意識してきた相手であるはずである。その大学の正式名称を覚えていないということに、内田氏の自己中心性バイアス(心理学用語:自分を物事の中心と定義して、世の中の物事を解釈することにより生じる偏り)の強さを感じるのである。つまり、これだけ長い年月を闘ってきたのに、関西学院に対する尊敬の念は全くと言ってよいほど無く、常に自分が頂点であって他を軽視する性質の持ち主であるということの証明となる。従って、斯様な性質の内田氏ならば、ライバル校のみならず、同僚やコーチ、選手に対する敬意も持ち合わせてはいないだろう。これでは被害者への心からの謝罪や、日大の選手、コーチ、チームを守ろうとする気持など見えるはずも無く、ただひたすら自己保身の姿が浮き彫りとなった空港での囲みに、誠意が感じられないと批判が噴出したのも頷ける。


クワンセイガクインです(OFFICIAL BANNER)

3.「正直」という枕詞の連発と深層心理
5月23日の日大による内田氏と井上コーチの共同記者会見で二人から連発された「正直」という枕詞(枕詞それ自体は直接の意味を持たず、ある特定の言葉を修飾し、 短歌の調子を整えるために添える言葉)に、インターネットやSNSは一斉に反応した。
なんと、お二人合わせてその数50回。記者からの質問に応える度にと言ってもよいほど、何かに付けて「…というのが正直なところです(内田氏)」「正直言うと…(井上氏)」という具合だ。言語心理学という分野では、言語の発達、言語と認知、思考との関係、言語と行動との関係、言語コミュニケーションの問題などかなり広範に亘る課題を取扱うが、「正直」という枕詞に持たせる使用者の本質的な心理状態を行動心理学(言語心理分析)の視点から考察する。
「正直」と付けられたあとの言葉の真意に、この枕詞はどう影響するのだろうか。内田氏と井上氏。共にこの記者会見では正直を連発しているが、これはお二人ともに口癖として、日常的にお使いなのだろうか?本人も無意識で使っている「よく使う」言葉がある場合、その人にとってはそれを使わなくてはならない何かの理由が背景にある。
言語心理の基本的な考え方は「制約」である。ある言葉、何かの単語を使うには、その単語を「使わなければならない」制約下に置かれているということだ。基本的に、良い言葉を多用する場合は、その反対の意味を避けていると考える。その反対になることがまずいので、そうならないように過剰に予防線を張ると分析される。「正直」という言葉は良い言葉である。その反対の言葉は「ウソ」である。つまり、正直言って…の後に続く(使い方によってはその前の文脈)言葉には何がしかの「ウソ」が隠れていると見て間違いなさそうである。記者会見当日のフレーズを引用してみよう。

内田前監督:「その時、正直言いまして、ビデオを見るまでどの程度の反則か正直、分からなくて。そのほかのときは正直、あの、抜け落ちていたのが正直なところです」
このフレーズから「正直」を取り除いてみると、
「その時、ビデオを見るまでどの程度の反則か分からなくて。そのほかのときは、あの、抜け落ちていたところです」
すなわち、内田氏は、ビデオを見るまでは反則の程度は分からなかった。その他の反則も見ていなかった。というとを記者団に強調して伝えたい。そこを信じてもらいたい、という心理が働いたということになる。しかしこのことは後に多くの録画された当日の映像や、内田氏の試合後のインタビューのやり取りで概ね否定されなければならなかった。
その他にも、内田氏、井上氏共に選手のことを一番に考えていることや、相手のQBにけがをさせても構わないということは全くなかった、という問答においてもこの「正直」を多用していることから、残念であるが、反対の心理が浮き彫りになってしまったのである。


やいやい!この桜吹雪がお見通しだ!(イメージ)

注1
色彩心理学とは、色によって人に喚起される感情が異なる、という言説である。例えば、赤色は興奮や活発性のある感情を、青色は悲しさや快適な感情を喚起させるといった様なものである。色彩心理学では色の持つ心理効果が広く一般に普遍的であるとしている。しかし、仮に色彩心理学で規定されている色のもつ心理的効果やイメージについて、社会一般で同意が得られたとしても、それが本当に色による心理作用なのかを判断するすべはなく、現在でも学術的に検証されておらず、理論的に妥当であるとは言い難いという見解が主流である(明治大学科学コミュニケーション研究所)。
因みに色彩心理を扱うサイトの一つに、ピンクを好む人の性格という表記があるので紹介します(信憑性はご自身でご判断ください)と、甘え上手で世話好き、ロマンチスト、ヒロイン願望があり、繊細、ちゃっかり者、結果を他人のせいにし易い人、だそうです。

【トランプ氏と金正恩氏:表情と仕草から読み取る首脳会談】
この会談の最初の興味は、トランプ大統領と金委員長の握手の瞬間である。多くの心理学者やプロファイリングの専門家から事前に様々な分析がなされていたからである。トランプ氏と金氏の手の出し方、引き寄せるのか寄せないのか、どの距離まで手を伸ばすか、引っ込めるかなど。それによって会談に入り会話を交わすまでの心構えと心理的影響度を測ろうというものである。


両国の国旗(イメージ)

歴史的な米朝首脳会談が始まった。
まず、ステージ両側から登場した二人が交わしたのは対等な握手だった。先にトランプ大統領が歩み寄り、直ぐに手を指し出すと、金委員長も素早く手を出して近寄っていった。しかし、トランプ氏はそれ以上手を伸ばそうとしないまま二人の距離が縮まって握手した格好だ。
その状態からトランプ氏が仕掛けた。トランプ氏の指先は白みがかった。右手の肘が横に張り出し、力を込めた証拠だ。握り合うとトランプ氏の笑顔が一瞬、やや歪んだ。おそらく金氏も力を入れて握り返したからだろう。
トランプ氏は金氏の右肩付近をポンポンと叩く。金氏は表情をやや緩めたが、握手を終えると表情が強張った。予想よりトランプ氏の力が強かったのだろうが、トランプ氏は第一ラウンドを優勢で終えた満足感で口元は締めたが、安堵の表情で微笑んだ。
次に、ホテル内を移動するが、トランプ氏は金氏の背中に手を当てて促したり、行き先を手で指し示したりしてリードして見せた。しかし、金氏も大統領の背に手を当て、トランプ氏のペースに押されていると見られないよう同様の仕草で牽制したように思えた。


ドッチモ負けていない(イメージ)

会談を終え、再び会見場に姿を現した二人は、再度握手を交わす。相手の手をぐっと引っ張るトランプ大統領独特のやり方だった。米朝関係の主導権は私が握ったと、世界中のテレビの前でアピールするのがこの会談の目的であり、最も重要な瞬間だからだ。握手を終え、お疲れ様の言葉とともにトランプ氏が金氏の左の上腕あたりを軽く叩いた。
その瞬間、金氏の体側で開いていた右手の指に異変が起きた。ほんの少し、僅かな動きだが、金氏のこめかみに食い込んだメガネの柄が動くと同時に、金氏の手は拳に変わった。北朝鮮の金正恩委員長に対し、上から目線で馴れ馴れしく且つ無礼な人間など父親である金正日以外知らないのである。無意識のうちに不快感を抱いたとしても理解できる。そして、その分析が間違いないということを証明するには、時間は掛らなかった。
共同宣言文書の署名:
金氏はサインをするトランプ氏のペンが動くのを待って自らの署名を始めた。文書を交換すると、トランプ氏はそれを机に置き、話し始めた。だが金氏は、それを聞きながらも文書を両手に持ったまま眺めたり、トランプ氏の手元にある文書をのぞき込んだりと、なかなか机に置こうとしない。まるで物珍しい何かを見る子供のようなその仕草を見ていると、「歴史的文書に署名する」という心理的な重圧もなく、文書の内容も全く意に介していないように見えた。最後に見せた金正恩委員長のあどけない表情は、トランプ大統領のそれよりも随分落ち着いて見えたのは、拙者だけではあるまい。


握った拳を見逃してはならない(イメージ)