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ラビットプレス+3月号


桜が咲けば酒が飲みたくなるという性格って??春ですね(イメージ)

人の性格を「遺伝と環境によって決定される実際的もしくは潜在的な行動パターン」と定義して、因子分析法を用いてパーソナリティを構造的に理解しようとしたのは、ドイツ出身の心理学者でパーソナリティ研究の第一人者であるハンス・アイゼンク(Hans Eysenck,1916年~1997年)、と前号で述べた。
パーソナリティ(この項では一元的に“性格”と訳す)に関する心理学上の研究成果は多い。地球上、人類が繁栄し、世界中の人々が毎日生きているのも個々の性格に基づいた夫々の“人生”を楽しんでいるからに他ならない。普段は全く意識しない自分の性格であるが、時々人はそれを客観的に評価されたい衝動に駆られるようである。星占いや四柱推命、東洋易学などの専門的分野からタロット、トランプ、血液型占いのように俗的な手法を用いた“診断”は、悠久の時を超えたロングセラーだし、心理テストとか性格診断テストなど、学問的裏付けのあるものから全くそうでないものまで、巷に溢れかえっている。特に我が国民族はその類が大好きと言われる。
1956年にアメリカの心理学者、ポール・ミール(P.E.Meehl)が、サーカスの創設者で知られるフィニアス・テイラー・バーナムの発した "we have got something for everyone"(誰にでも該当する要点というものがある)という言葉に因んで、バーナム効果(Barnum effect:臨床実験によって実証したアメリカの心理学者、バートラム・フォア(en:Bertram Forer)の名をとってフォアラー効果(Forer effect)ともいう)と呼んだ心理学上の現象は、言語体系上、語彙(vocabulary)が他の言語と比較して格別に多様な日本語を話す民族に顕著である。すなわち、性格診断や性格占いの結果が、曖昧な言葉の誘引によって誰にでも当てはまる診断結果を提示された場合、人はそれを自己の解釈によって自らの経験と結びつけ、「当たっている!!」と納得するというのだ。

以下、フォアが行った星占いによる被験者の分析によって示された“ある学生”の性格診断結果をご覧いただき、読者である“あなた”の性格と比較してみて下さい。

1.あなたは、他人から好まれたい、褒められたいと思っています。しかし、それに係わらず自己を批判する傾向にあります。
2.あなたは、自分の弱みを持っているときでも、それを普段は克服することができます。
3.あなたは、使われていない、生かしきれていない才能をかなり持っています。
4.あなたは、外見的には規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよしたり不安になったりする傾向があります。
5.あなたは、正しい判断や正しい行動をしたのかどうか、真剣に悩むときがあります。
6.あなたは、ある程度の変化や多様性を好み、制約や限界に直面したときには不満を抱きます。
7.そのうえで、あなたは、独自の考えを持っていることを誇りに思い、十分な根拠も持たない他人の意見を聞き入れることはありません。
8.しかし、あなたは、他人に自分のことをさらけ出しすぎるのも賢明でないことにも気付いています。
9.あなたは、外向的・社交的で愛想がよいときもありますが、その一方で内向的で用心深く、遠慮しがちなときもあります。
10.あなたの願望には、やや非現実的な傾向のものを含んでいます。

どうですか?あなたの性格と幾つ合致していましたか?

日本人だけが特に好むのは何故?(イメージ)

そもそも占いや心理テストによる性格診断には上記の様な結果が示されることが多い。これらを商業的に利用しているのが、数多存在する占いや心理テスト俗本などである。そこには社会的生活を営む人間の殆どが潜在的に持っている心理について、表現方法を変えながら受検者固有の性格であるとされ、ある一定の権威付け(例えば執筆者の学歴や社会的背景)が示された下での分析結果で、且つ批判的な内容は含まない。そうすることで、常時8割以上の人々がその結果について満足するのである。

そこで、今回は読者の皆様に心理学における正統な性格診断、つまり、心理学で言うところのパーソナリティ特性の考え方についてお教えし、それに基づいた多様な人の性格特性を明らかにしていこうと思う。

《性格を4つの指標で表す:マイヤーズブリッグス性格指標》 「分析心理学の父」と呼ばれる、カール・グスタフ・ユングが生み出した概念(性格類型論の中で最も影響力を持つ理論と言われる)で、内向性と外向性の概念に基づき、性格を内界(自分の内面)に集中するタイプと外界(自分以外)に集中するタイプの2つに分類した。ただし、今日、この用語は「外向性」が「社交性」、「内向性」は「根暗」や「内気」を示すなど、異なる定義で用いられている。ユングの定義では、人のエネルギーの拠り所を示しているので注意が必要である。
マイヤーズブリッグス性格指標(MBTI=Myers-Briggs Type Indicator)は、ユングの理論を基に考え出された(キャサリン・クック・ブリッグスと娘のイザベル・ブリッグス・マイヤーズによりユングの性格類型論をわかりやすく表すための方法を開発)指標で、このモデルの特徴は、性格特性とタイプが異なる方法で定義されているので、ユング派の概念や理論に深入りすることが避けられ、シンプルで使い易くなっている。MBTIは、一人ひとりの性格を心の機能と態度の側面からみたもので、「ものの見方(感覚・直観)」と「判断のしかた(思考・感情)」及び「興味関心の方向(外向・内向)」と「外界への接し方(判断的態度・知覚的態度)」の4指標を用いて組み合わせた16 タイプ注1に分類し、それぞれの強み、特徴を活かした性格診断を行うものである。
現在、標準的なMBTIでは、93項目の質問に答えさせ、対立的な4指標を組み合わせた16タイプのいずれかで個人のパーソナリティの傾向を表す。


自分の性格をアピール?(マイヤーズシャツ:by Zazzle)

注1
ユングの類型論の指標(外向:E-内向:I、感覚:S-直観:N、思考:T‐感情:F)に、判断的態度:Jと知覚的態度:PというMBTI独自の指標を加えて、以下のとおり4指標16タイプの組み合わせを作る。

4指標
① 外向型(Extrovert):内向型(Introvert)(エネルギー源)
② 感覚型(Senser):直感型(Intuiter(N))(ものの見方)
③ 思考型(Thinker):感情型(Feeler)(判断基準)
④ 判断型(Jedger):知覚型(Perceiver)(対処の仕方)
16タイプ
NF・ENFJ、INFJ、ENFP、INFP
NT・ENTJ、INTJ、ENTP、INTP
SJ・ESTJ、ISTJ、ESFJ、ISFJ
SP・ESTP、ISTP、ESFP、ISFP

MBTIのタイプ別キーワード
①外向型・内向型
(エネルギー源)
②感覚型・直感型
(ものの見方)
外交型(E) 内向型(I) 感覚型(S) 直感型(N)
外面的 内面的 五感 第六感
外界への感心 内面への感心 現実 可能性
口が軽い 内にこもる 実践的 空想的
社交的 奥深い 現実 未来
相互作用 思索的 事実 洞察
行動 一点集中 実証済み 新技術を試す
行動してから考える 内省し考えてから行動する 実用性
段階的
 
③思考型・感情型
(判断基準)
④判断型・知覚型
(対処の仕方)
思考型(T) 感情型(F) 判断型(J) 知覚型(P)
計画的 場当たり的
論理体系 価値観 決定する 様子見
客観的 主観的 制御 適応
正義 人情 確定する とりあえず
批判 理解 切り開く なるようになる
規則 調和 目標設定 データを集める
理性 共感 断定する 変更の余地を残す
公正 温情 組織的 臨機応変

例えば、あなたが性格診断テストの結果、ENFJタイプと診断されたとする。すると用意された類型タイプと性格の解説書によって、あなたの性格特性はこうだ、と明快に教えてくれる。
ENFJタイプ(主人公型)
あなたは、天性の指導者で、情熱とカリスマ性に溢れています。このタイプは全人口の約2%を占めていて、多くの場合、政治家やコーチ、教師として、人々が目標を達成し、世界に貢献できるよう手を差し伸べて励ましています。生まれながらに持つ自信で周りに影響を与え、自身の成長と地域社会の改善に向けて力を合わせるよう、人々を導くことに大きな誇りと喜びを感じています…。他人を優先し、親身で信頼性のある人柄を放出しながら、言うべきことがあれば、恐れずに立ち上がり声を上げます…。時には度が過ぎるほど熱烈な利他主義者で、自分が信じる人々や信念のためなら、困難も恐れず立ち向かいます。アメリカ合衆国大統領にはこのタイプが多い…。などである(参考:16personalities)。

人は心理テストや性格診断を受けるとき、殆どが質問項目に懐疑的である。しかし、診断結果が提示され、素晴らしい性格の持ち主(MBTIには悪い性格タイプは用意されていない)だと分かった瞬間、一気に心が晴れ、自分のパーソナリティが誇らしく思えてくるのは当然である。従って、MBTIをはじめとする類似の性格指標を用いた性格診断は、企業の新人教育や学校での個別指導など、個人のモチベーションを上げたい現場で多数採用されているのも頷ける。

《主要5因子性格検査 》 現在の心理学上で最も有力とされる性格検査で、「Big5model」と呼ばれ、誠実性、協調性、情緒安定性、開放性、外向性の5つの因子注2で性格を測定する。通常の人間関係では表面化し難い本来持っている“見えない性格”までわかるとされ、面接や行動観察で見落としやすい情報を補足することができるとあって、その人に向いている職種や部署、指導方法などを見つけるためや、性格の基本的な特徴が把握できるので、職場での適正な人員配置、学校での生徒指導、採用試験、入学試験にも世界中で採用されている。
この検査での結果は、前述したMBTIの類型診断とは異なり、パーソナリティを「尺度scale」で理解し、5つの因子の連続性の下に診断を行うことが特徴であり、信頼性が高く、研究者の間でも好んで使われている。

注2
我が国においては、主要5因子の測定に要する質問紙面の作成に関する研究が富山大学の村上宣寛、村上千恵子両教授によってなされ、外向性、協調性、勤勉性、情緒安定性、知性と分類されたが、統一はされていない。


村上宣寛、村上千恵子共著(筑摩書房:by セブンネット)

それでは、以下の文章を総合的に見て、読者のあなた自身にどのくらい当てはまるのかを正直に評価して、数字で表して下さい。

※設問に対して加点する点数
1=全く当てはまらない
2=殆ど当てはまらない
3=どちらかと言えば当てはまらない
4=どちらとも言えない
5=どちらかと言えば当てはまる
6=ほぼ当てはまる
7=全くそのとおりである

※設問:自分のことを…
1.活発で、外向的だと思う
2.批判的で、揉め事を起こしやすいと思う
3.しっかり者で、自分に厳しいと思う
4.心配性で、うろたえやすいと思う
5.新しいことが好きで、変わった考え方をもつと思う
6.無口で、静だと思う
7.同情しやすく、優しい人間だと思う
8.だらしなく、うっかり者だと思う
9.冷静で、気分は安定していると思う
10.独創的ではなく、平凡な人間だと思う

※集計方法:
誠実性=(項目3.の点数+8-項目8.の点数)÷2
協調性=(項目7.の点数+8-項目2.の点数)÷2
情緒安定性=(項目9.の点数+8-項目4.の点数)÷2
開放性=(項目5.の点数+8-項目10.の点数)÷2
外向性=(項目1.の点数+8-項目6.の点数)÷2

※スコアの考え方は、成人の平均値と比較する。最高点は7ポイントである。
誠実性:4.61
協調性:4.69
情緒安定性:4.34
開放性:5.51
外向性:3.98 ※TIPI(Ten items personality inventory)

特定のタイプに個人を当てはめるのとは違い、「Big5」では各因子を連続的に捉えて個人の特性はその尺度のどこかに位置すると診断する。従って、被験者の年齢や年代、環境や個人の経験によって受検毎にスコアは変動して当然である。また、5つの因子は全て約50%の割合で遺伝的な要素があることが分かっており、幸福感、健康、目標達成能力(ウェルビーイングwell being)にも影響することも解明されている。
従って、パーソナリティが人の幸福度や健康にも影響するのであれば、三つ子の魂百まで、とか、漆は剥げても生地は剥げぬ、など昔から性格というものは変わらないと考えられてきたが、果たしてそうなのであろうか。幸福度や、健康は生まれつき決まっており、如何ともしがたいという人生ならば、生きることそのものが実に空しいではないか。

《Big5 その因子の特性》 1.誠実性
誠実性のスコアが高いということは、計画性があり、規律正しく、忍耐強いという特性があることが分かっている。他にも注意深く、賢明であるという評価もされる。軽率な行動は慎み、非衝動的である。そして、誠実性には人が感じる幸福度と深い関係があるとの研究成果が示されている。
誠実性は学業や就職に大きく影響し、健康長寿にも深く係わっている。その理由は、誠実性が高い人ほど、学校や社会のルールをよく守り、健康に関して良い習慣を身に付けているからだと言える。
一方、そのような性格特性が良いことばかりではないこともあろう。誠実性の高い人は秩序正しい予測可能な場面では能力を発揮することが分かるが、芸術性や臨機応変さが求められる世界(例えばジャズミュージシャンなど)では、感性とひらめきで即興のメロディを奏でることが出来る人が一流である。ジャズミュージシャンを対象としてbig5の研究を行ったボブ・ホ―ガン、ジョイス・ホ―ガンの二人は、誠実性のスコアが低いミュージシャンにその評価が高いという結果を発表している。同じ音楽の世界でも、オーケストラ奏者のように秩序と規律を重んじる組織での演奏家と、ジャズのように自由でサプライズ的なパフォーマンスが喜ばれる環境とでは、求められるパーソナリティが異なるということを考慮しなければならない。物事には常に表裏が存在するのである。


誠実(イメージ)

2.協調性
協調性が高い人は、好感が持てる、協力的、友好的、同情的であり、低い人は対立的でコミュニケーション下手、意地が悪いなどと評価される。従って、協調性は社会生活にとって必要なパーソナリティであることは当然である。初対面の相手方を観察する場合、人は協調性の有無を真っ先に判別しようとする。「この人は自分の味方か、敵か」を瞬時に判断する能力は、人類が歴史の中で本能的に学んできた習性であるという。
しかし、協調性は成功との関係性において殆ど影響することはないと言える。これは、職場において顕著であり、協調性の高い人ほど仕事のパフォーマンスが低下するという検証結果も報告されているのだ。つまり、他者との関係を重要視する性格が、個人の能力発揮の阻害要因として働くからである。また、協調性の低い人と外向性の高い人には、自己主張が強い、という共通点があることが分かっている。自己主張の強さは当然人間関係をぎくしゃくさせるが、自己の目標達成には効果的である。協調性の高い人は、自分の築いてきた社会的コミュニティの中で幸福感を得やすく、低い人は周りと協調していない時に幸福感を感じることが分かっている。


協調性(イメージ)

3.情緒安定性
パーソナリティの課題として特に対象とされているのが情緒安定性の研究である。情緒安定性と幸福度には相関関係が明らかである。情緒安定性が低いほど主観的幸福度が低く、ネガティブである。対人関係にも悪影響を及ぼし、社会生活にも満足度を感じられず、健康被害も多いことが分かっている。これは医学的な精神疾患の患者の状態のことではないが、医学的な見地からも脳の「扁桃帯(危険を察知する能力を司る器官)」が過敏であることが証明されている。言い直せば、そうでない人が見過ごしてしまうような小さな兆候をも察知する能力に優れ、警戒心が過剰になっている状態を維持するので、常に強いストレスを感じ、免疫系の疾患に罹りやすいとされる。不安症、抑鬱、感情的な脆弱さを抱えやすくなる。
対称的に、情緒安定性が高い人は、他のパーソナリティ特性に好影響を与えることが分かっており、情緒が安定しているときに誠実性や協調性は更に好転する。
人間のパーソナリティ形成は、原始に人が小集団を形成して生活を始めたころに形作られたと考えられている。遺伝学的に、人間にとって不要な遺伝子は淘汰され、消滅していることが分かっているが、情緒安定性が低い人の遺伝子が受け継がれてきたのは、やはり人間が生きながらえていくために必要な能力であるからに他ならない。危険察知能力が現代の環境の中でどのように変化していくのか。これは人類にとって大きな問題なである。


情緒安定性(イメージ)

4.開放性
新しいことを受け入れる人は、喜怒哀楽の感受性が強い。
開放性とは、新しい人間関係や環境をどの程度受け入れられるかという尺度で、創造性(クリエイティビティcreativity)と関係が深く、このパーソナリティは特に遺伝的要素が強いと言われている。開放性が高い値を示す人は、文化芸術的分野に興味を示す傾向にある。開放性が高い人は、情緒安定性が低い人と同じく、抑鬱や不安を感じやすいことが分かっているが、それと違ってポジティブな感情も多く経験する。開放性の特徴は、ポジティブな感情とネガティブな感情の両方と深く結び付いていることが他の特性と異なるのである。新しい世界に興味を抱く特性は、当然そのことが評価される環境で能力を発揮するのであり、クリエイティブな職業に向いていると言える。


開放性(イメージ)

5.外向性
内向性と外向性の研究は、現代心理学の分野でもとりわけ多くの研究がなされている。生理学的に、脳の新皮質の領域における覚醒レベル注3の違いによって説明され、外向性の高い人は普段、覚醒レベルが低く、内向性の人はそれが高い状態であって、日常生活を適切におくるために、外向性の人は覚醒レベルを上げようとし、内向性の人は逆に下げようとするのである。それが表面的な行動に現れるのである。
例を取れば、アルコール摂取時(適度なアルコールは覚醒レベルを下げる効果をもたらす)において、内向型は高い覚醒レベルが下がり、適正レベルに近づくことで調子が良くなってお喋りになり、外向型は適正レベルからより遠ざかることで、自らレベルを上げようとして、より過激に振る舞うのである。同様に見える飲酒時の仲間の振る舞いを、その人のパーソナリティから観察するのも面白い。
また、カフェインを多く含む飲料では逆の効果が現れる。刺激物であるカフェインは、覚醒レベルを上げる作用を持っているから、外向型は、例えば会議前などに摂取すればパフォーマンスが上がる。反対に内向型は適正レベルから遠ざかることによってパフォーマンスが下がり、思うように発言できなくなる。特に、数字を扱うような集中力を要求される会議などでは、パフォーマンス低下が顕著であるという検証結果もある。
学業成績においては、外向型よりも内向型の方が優秀な成績を残すことが分かっている(ただし、IQの問題ではない)。これは教育機関の環境の問題と密接な関係があると考えられており、外向型は幼児教育機関(保育園や幼稚園)では優秀であるが、小中高に上がるに従ってパフォーマンスが落ちるという検証結果が報告されていることから、刺激の多い環境で能力を発揮する外向型には、わいわいがやがや、が許された環境下で発揮できたパフォーマンスも、秩序を重視する学校生活では封印されてしまうのである。


外向性(イメージ)

注3
覚醒レベル:Arousal(覚醒)とは心理学で測定される概念で、そのレベルが高まると心臓の鼓動、血圧や呼吸が高まり、アドレナリン放出量が増加する。Arousal(覚醒)は脳の活性化と関連していると考えられており、医学的見地と併せて自分の今ある状態や、周囲の状況などを認識し、行動するために適切な意識レベルをいう。


Big5によるパーソナリティ特性の特徴は、前述のとおり「類型」ではなく「尺度」であることから、外向型と内向型の中間に位置する「両向型」が存在することになる。人は多くの場合、この両向型であるとも言われる。
営業や販売の世界などでは、外向型が能力的に適しているという結論が導かれるが、組織心理学者のアダム・グラント(アメリカの組織心理学者・ペンシルバニア大学ウォートン校の史上最年少終身教授)は、その定説を否定し、両向型は外向型や内向型に比して販売におけるパフォーマンスに優れているという研究成果を発表した。

Big5による心理学上のパーソナリティ理論が主流になり、より密度の濃い性格診断の数値化が様々な分野で活用されてきていることは事実である。しかし、人間は「外向型:内向型」の分類で全てを説明出来ることはない。同じ外向型であっても、その他4因子の数値が全て低い人と、全てが高い人とでは、全く異なったパーソナリティが現れる。それ以外でも、現在の環境に満足せず、自ら変化を求める人であれば、その努力によってBig5の数値が変動することも当然である。

「人生は変えられる」というのは、そこから始まるのかも知れない。